2012年11月7日水曜日

ドキュメント映画『死刑弁護人』を川越スカラ座で観る

 50代は夫婦ふたりで行くとひとり1000円になるからと突然つれあいに誘われて、川越スカラ座(川越唯一の映画館、明治38年から続く映画館)に『死刑弁護人』と『眠れぬ夜の仕事図鑑』を観に行くことにした。いい天気で私は自転車で行きました。
http://k-scalaza.com/index.html


 映画『キングコング対ゴジラ』が私の街にやってきたのは確か小学1年生のとき。10日分の小遣いの50円玉を握りしめて若草劇場という映画館に観に行った。一番前の席をとってわくわくしながら待っていた。超満員。あとから来た半分座らせろという小学生に半分席を取られた。むかついたが1年生で且つチビだったので、心の中だけで抵抗した。
デジタルでソツのない今風の映画館にいつもなんとなく違和感があったのだけれども、今日の川越スカラ座は居心地が良かった。あのころの劇場にタイムスリップしたみたいだったからだ。観客は私たち夫婦を含めて5人きりだったのだけれども…。

 このドキュメント映画『死刑弁護人』を観るまでは目立ちたがり屋さんなのかと単純に思っていた…。問われて「マスコミはきらいだ」弱いものを傷めつけると答える。事実を探究。真実を究明し尽くすという安田好弘弁護士。橋下徹さんとは対極にある、器が違う、まるで違う。ネタを目ざとく見つけては人々の劣情やバッシングを煽るあの橋下徹弁護士やその追っかけをする屁みたいなマスコミとは、志と器が違う、まるで違う。人としての生き態が違う、全然違う。東海テレビがよくつくった、東海テレビに「いいね!」
それにしても死刑囚林眞須美さんのことは確かに気になる。

 『眠れぬ夜の仕事図鑑』はただただ題名の通りだったとしか言いようがない。

<ドキュメント映画『死刑弁護人』作品解説より、以下引用
http://shikeibengonin.jp/tra.html
「オウム真理教事件」麻原彰晃。
 「和歌山毒カレー事件」林眞須美。
 「名古屋女子大生誘拐事件」木村修治。
 「光市母子殺害事件」元少年。
  これらはすべて死刑事件である。
  そして、
  それらすべての裁判を担当している弁護士がいる――
  安田好弘、64歳。
 死刑事件を請け負う弁護士は少ない。〝極悪人の代理人〞〝人殺しを弁護する人でなし〞世間から様々なバッシングを受けるだけでなく、人命が奪われた事件を通し、加害者と被害者双方の悔恨や悲嘆に苦悶することになるからだ。

 本作はマスコミや検察の情報を鵜呑みにし、自分たちは絶対的な正義なのだと思い込み、被疑者へのバッシングを繰り返す私たちへも疑問を投げかける。なぜ、いつも自分たちが正しいと思い込めるのか?

 安田は、顧問弁護士を務める会社の事件に関連して、強制執行妨害の罪で自らも逮捕される。しかし、それでもなお彼は、自らの職責として弁護士を全うし続けたいという。

 「事実を出して初めて本当の反省と贖罪が生まれる。どうしたら同じことを繰り返さずに済むのか、それには、まず真実を究明しなければならない」。
 安田は、“悪魔の弁護人”と呼ばれようとも、依頼人を背負い続ける。
 貧困と富裕、安定と不安定、山手と下町。凄惨な犯罪は境界で起きることが多い。安田は、こう考えている。生まれ育った環境が生む歪みを無視し、加害者を断罪することに終始することが、事件の「解決」と言えるのか。「誰が何を裁くのか?」裁判は、犯罪を抑止するために、材料を洗い出す場でもあるはずだ。安田の生き様から映し出されるのは、この国の司法のありようだ。『平成ジレンマ』『青空どろぼう』の東海テレビが放つ劇場公開ドキュメンタリー最新作。

 オウム真理教事件の麻原彰晃、和歌山毒カレー事件の林眞須美など、死刑判決が下された事件の数々を担当してきた弁護士・安田好弘氏のドキュメンタリー。凶悪事件を起こした者たちの弁護人を務めることから激しいバッシングにさらされるにもかかわらず、彼らのために奔走するのはなぜなのか? これまで手掛けてきた事件を安田本人の言葉と共に振り返りながら、その原動力、司法のあり方、凶悪犯罪が生まれる背景などを浮き彫りにする。裁判員制度によって、誰もが裁く人間として法廷に赴くことになった現在だからこそ観ておきたい作品だ (上映時間: 97分)。

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