2011年12月31日土曜日

がんばっぺし

考えごとがあって、うっかり最初ママチャリに乗るときのようにしてつんのめる。
そうだこのスポーツ車は雄犬がオシッコするときのようにして乗らなければいけない。

ペダルを踏んでいれば、釣り人が糸を垂れているような心境になれる。
久しぶりに頭をからっぽにしよう。

数の子を粕漬けにしようということで、林の向こうの北田酒店に行く。上等の酒粕はあるかと尋ねたら、そんな人のためにと裏から持ってきた。純米酒粕。スーパーで買うのとは3倍の値段だ。ところで、「ゆずどん」はあるかと訊いたら、ああ鹿児島川内のと、知っていた。姉妹品の「梅太夫」ならあると持ってきたのでこれも買い求めた。

邦雄さんからの魚は朝一番に届いた。まるで玉手箱のように海の幸が入っている。さて、どうしようか。

三男は友達との付き合いで中国の旅行に行った。二男はつれあいの実家に新幹線で出発した。病み上がりの長女はひきこもっているらしい。長男だけが泊りで来ると連絡してきた。ただし、チカさんに付き添っているので夜の10時ごろだという。

新幹線で岡山を過ぎたあたりだという二男から連絡がくる。長崎に帰省した友人が二男宅にブリを送った、それで送り先を急きょ我が家に変えてもらったからと。おおあわてになる。
それが3時ごろに届いた。みごとなブリだ。 しかし、どうしようか。

今年にかぎって。

こういうことって男の人が普通はやるのよねぇっていいながらつれあいが出刃包丁で悪戦苦闘する。私は掛け声をかけて励ますことしかできない。三枚に卸し、血合い・ハラスを丁寧にとり、柵をつくる。刺身、ごまブリ、ブリ大根、アラは鍋に、幽庵焼に利用することにした。捨てるところは内臓と骨と尾だけだ。

居間の掃除だけ、カレンダーの取り換えだけ私がした。

理事長をやっている友人から暮れの挨拶のメールが届く。全部の店まわりを終えて帰宅し今は紅白をみているところだと。

つれあいは今日いちにちへとへとになった身体をお風呂で温める。先に食べておいてという長男からの連絡に、ようやく9時ごろになって二人っきりでブリとアワビの刺身でビールを空ける。紅白にする。千昌夫の「北国の春」につれあいは涙がこみあげてくる。父親の秀雄さんのカラオケの持ち歌で自分からはこれしか歌うことはなかった。

いただいた「ゆずどん」を今開けた、家族にとっても評判がいい、美味しいと陸前高田の(つれあい)の姪っ子からつれあいにメールがきた。職場でも宣伝すると。「がんばっぺし」「きばっど」と私からメールした。つらいことも何も話さない無口な看護師の頑張り屋さん。介護士の夫とともに高台に家を建てることをもう目標にしている。

10時前に長男が到着しようやく豪華な鍋を囲み食べろ食べろ、飲め飲めと勧める。

いろいろありましたねぇ、と振り返っているうちに大晦日が静かに更けていきました。
こんな頼りない私をみとめてくれるみんなに感謝しながら・・・

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