2011年11月18日金曜日

青雲の「志」

民主党は今度総選挙があったらぼろ負けするだろう。国民を裏切ったからだ。

村山さんのときの社会党にも通じる。政権につくなり社会党の社会党たる所以をかなぐり捨てて支持者を裏切った。おまけに阪神大震災に遭遇しても迅速で有効な手立てを打てなかった。その教訓からか、菅さんは大震災発生直後の原発視察で大立ち回りを目論んだようだが裏目に出た。事故に際してのもっとも重要な時宜を逸し、被曝の危険から住民を守るための的確な判断をしたとは考えられないからだ。

自民党はそこをねらっている。そもそも格差社会や原発震災を生んだのはどの政権のせいなのか反省もまったくない。民主党をあげつらうことによる政権奪還目的、ただそれだけのことだ。国会での質疑を聞いていれば、民主・自民に攻守が違うだけで、政策に違いはもうない。

ふるさと自慢をするものの、故郷を捨てたも同然で久しい。

いよいよ送ってきた。「後援会」の発足らしい。ほかのDMのように捨てればいいのかもしれない。ただ機械的に高校同窓会名簿から知りえた現住所情報で送りつけてくるだけのことかもしれないが、最近それが送られてくると不快になる。

大柄で快活、スポーツマンで努力家、実行力がある。すでにそのころから将来は人の上に立ちたいという野心は満々だった。よく言えば大志を抱いていた。決して悪いやつにはみえはないのだけれども、話し込めばどこかに弱者を切り捨ててよしとするような差別的な言辞を吐いて平気なところがあって、その点について私は好感をもてなかった。

私のクラスから現役で東大に二人合格した。受験校であったとはいえ地方都市のこと、快挙として当時大ニュースになった。努力と才能と集中力があったのだろうけれども、私もいささか驚いた。東大に合格する人間なんて特別に「違う人種」だと思っていたから。まっ、そういうことだったのだろう。彼は東大卒業後大手の建設会社に就職して、世界に雄飛して活躍いるらしいということを風の便りに聞いてはいた。

ここ近年、高校の同窓会の世話人をしていた。りっぱな肩書もあって多忙だろうに殊勝なことと私も考えていた。まさかとは思っていたが、昨年郷里の選挙区の自民党の支部長に立候補して相手候補を破ったとあった。選挙区の現役は民主党だが、もともと自民党の公認を得られなかった人があのときの勢いで当選しただけのことで、本質に境目はない。こんどは自民党だろう。機会を逸しない計算だ。後援会発足の「リポート」には名だたる経済人、政治家、官僚の名前が連ねてあった。あの古川佐賀県知事の名前まであった。

「日本の将来に強い不安を感じた。それが国政を志す動機になった」と。

東大出、面倒見のいいやつ、世界に羽ばたく郷里の誇り、同郷同窓の誼、人のいい級友たちはそういうことで手足になる。キャラクターは好かれるタイプ。

個人としては魅力もあるのだろう。だが、単なる友人としてはともかく、信条としては組(くみ)することはない。その便りがくるたびに、なんともいえない不快が積もる。本人も取り巻きもベクトルが昔のままだから。

しかし、それが野望であれ、人間一途であることはたいしたものだということを幾つも学んでいる。

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