2011年11月11日金曜日

11・11

本音は見透かされていた。本日、国会の集中審議の最後の質問に立った社民党の福島さんからは「この国会の場で参加表明をせよ」と食い下がられていた。そして、よもや記者会見や外国に行ってこれほどの国の重要な方針を発表することは、国会の軽視であり許されないと。この一点を突いていた。国会で堂々と論戦せよという趣旨だが、首相ははぐらかした。共産党の紙さんは数字をあげて予測される農業への惨憺たる影響を突いた。この国土から農村が崩壊する絵が見えてくる。

 とうとう8時の記者会見で「既定」のTPPの「協議に入る」という言い回しで事実上の参加表明をするという卑怯で狡猾な方法を用いた。一日延ばしてみせるという茶番や「母の実家が農家で」とかという猫だまし的な言辞も散りばめながら、発表は優等生的な美辞麗句を並べている。彼は「事前協議」と言ったのではない。本質は明日からのAPEC協議でのアメリカへの手土産である。

 会見で「断固として守るべき」と言った事柄(日本の医療制度、伝統文化、美しい農村)とは裏腹で、大変なことになる。農業の「業界の不利益」のことではなくて、利益など何もない私たちに振り掛かってくる生活や生き方にかかわることだ。

 「・11」は8か月目になる大震災や原発震災に加えて、またも、国民への惨禍になるような象徴的日付となった。肌寒い雨の一日、このいやな日を忘れない。

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