2011年9月19日月曜日

アデュー原発

 会場がぎっしり埋まっていったのでうれしくなりました。パレード(デモ)に加わり会場の明治公園を出たら、会場に入りきれない人たちがいっぱいいたのを見てさらに感激しました。この「9・19さようなら原発 5万人集会」には集会最後に主催者側から6万人の人たちが集まったと発表がありました。大成功だったと思います。

 しかし、相変わらずマスコミは小さな扱いです。家に帰り着いたのが午後6時ちょっと過ぎで、その6時のNHKニュースでは報道されたようですが、7時のニュースでは報道されませんでした。むすめはラジオで聴いて「大江健三郎さんの呼びかけの集会」ということを知っていたそうです。

 朝は丸ノ内線の後楽園で降りて神保町の「阻止ネット」集会(日本教育会館/「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク)に急ぎましたが、30分ほど遅れてしまいました。原子力資料情報室の澤井正子さんの「脱原子力社会への道すじ」という講演を途中から聴くことになりましたが、とてもわかりやすい内容で惜しいことをしました。また、講演の内容も少し時間が足りなかったようです。いわゆる「原子力村」の数々の構造は明らかになってきましたが、この原発の推進体制を社会の無関心が支えたこと、この指摘がわたくし自身の実感でもありました。終了後、「さようなら原発 5万人集会」に合流しようという日程になっておりました。いったん解散し集合場所に集まりましたら、高田さんをはじめ幾人か昔の出向先の懐かしい顔に出遭いました。お昼ご飯は食べ損なってしまいました。集合場所は、全国から駆け付けた団体のバスの駐車場に近く、福島の各地から「怒 浜通り隊」「怒 中通り隊」などの幟旗をみつけました。「迷子にならないように、4時までにはここに帰ってきてくださいね」と福島弁で念押されていましたね。そのみなさんは、集会の前の方に大挙して陣取っていました。

 檀上を見たいと考え少し前の方に行きましたら、そのうち人であふれて行くも帰るもできなくなってしまいその場に座り込み参加する形になりました。檀上からの発言で冒頭の鎌田慧さんはさようならには人と別れるときのまたねという「さようなら」もあるが、原発には二度とごめんだよという意味の「さようなら=アデュー」がふさわしいと言っていました。「アデュー」(スペイン語だったかな)懐かしい言葉で、同感です。署名は現在100万人、あと900万人を達成しましょう、来年の3月24日には報告集会を開こうと檄を飛ばしていましたね。大江健三郎さん、内橋克人さん、落合恵子さん、澤地久枝さん、ドイツからのゲスト フーベルト・ヴァイガーさん(FoEドイツ代表/逐次通訳)、山本太郎さん 武藤類子さん(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)が次々と発言しました。ここに集まったみなさんの、これから生まれてくるであろう子孫たちの感謝の言葉は「ありがとうございます」(内橋さん)、反戦、反差別、反核は一緒、慣れません、あきらめません、歩きましょう(落合さん)、澤地さんは骨折をしていたそうですが、立ち上がり立って参加しようと思ったとの発言どおり、落合さんたちの介助を断りシャキンとしてこの国は原発を持ってはいけなかったはずの国だと訴えておりました。フーベルトさんはドイツの脱原発の道程を紹介し、できるかできないかではなく政治的にやるかやらないかということだと示唆しておりました。山本太郎さんは檀上におらずず司会者からも未到着だとありましたが、間に合い劇的な登場となりました。黒服帽子にリュック姿「すごい人(の集まり)だ」との一声から始まり、命がかかっていると元気いっぱい訴えておりました。圧巻は福島の武藤類子さんの涙ながらの訴えでした。福島の山は青く水は清らか、その風景に放射能が降り注ぎ被曝になった。ただちに行われた安全キャンペーンのもとで毎日の決断、否応なく選択を迫られている。外に出るべきか出ないべきか、食べ物を食べるべきか食べないべきか、洗濯物を干す干さない、もの申すかだまるか、・・・。福島を離れるもの離れないもの。ばかにするな、命を奪うな、子どもたちを守ろう、「静かに怒りを燃やす東北の鬼」であると。つながってほしい、アクションに注目してください、福島を忘れないで。誰かが決めたことに生きるのではなく、自分の頭で考え、決断し行動する。原発を推進するものが垂直な高い壁なら、私たちは横に広くつながろうと。

 先頭が目的地に着いたとき後続はまだ会場を出発していないなんてそんなデモはいったい何年振りでしょうか。最近のデモはショぼくって「お嘆きの諸兄」には久しぶりの充実感です。集会が終わりパレードの隊に加わるべく先を急いだのですがなにしろ押すな押すなの大盛況で、前に進めません。確かCコースの先頭あたりだったと思います。会場を出るとき主催者の人から紙のプラカードをもらいました。「大地を守る会」の幟旗があって、なにしろ私はれっきとした個人参加ですから、知らぬ団体でもないしご一緒させていただきました。気が付けば太鼓などの打楽器を打ち鳴らすにぎやかな隊列で約1時間半、みなさん意地か頑張りかリズムよく叩き通しで汗だくでした。「原発はいらない!」「エネルギー政策転換を!」の紙のプラカードを高く掲げ(結構疲れます)、朝から飲まず食わずで歩き通しましたが心地よいものでした。

 さっ、ほんとだよ、原発やめようよ。いのちが大事。

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