2011年5月14日土曜日

復興の地酒



 つれあいが気仙沼の地酒「伏見男山」(銘柄は「蒼天伝」)を買い求めてきました。
 実家と同じ町内にある酒造元「男山本店」は観光桟橋という海に面したところにあり、大正時代につくられた建物は市の歴史的建造物に指定されておりました。このたびの津波の直撃を受け、上階部分を残して崩落しました。しかしながら、工場は少し山手にあり不幸中の幸いで被災を免れました。まさしく、津波は門の手前まで来たそうです。実家のほんの裏手のところです。もろみを仕込んで仕上がりを待つばかりであったそうですが、発酵させたもろみを絞るタイミングに電気が復旧しないために設備を動かせず半分あきらめるところだったそうです。「頑張って造れば、気仙沼の復興の兆しになる」との励ましと建設会社からの発電機の提供を受け、困難な中、泊まり込みでお酒の製造にこぎつけたというものです。当時の被災者には過酷な雪の降るような気温が、もろみには幸いして製品化に間に合いました。このことは報道もされ、知る人ぞ知るシンボルのお酒になりました。地元のお酒、漁師のお酒として親しまれてきたそうです。同社の得意先の多くは地元のお酒屋さんと飲食店だったそうで、その皆さんが壊滅的打撃を受けました。復興のお酒として支援のお客様があるときはいいが、一過性ではなくリピートの顧客を開拓しなければいけない課題と、やはり地元に密着した営業で地元に貢献するかたちでともに復興したい課題を抱えているそうです。

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