2011年3月6日日曜日

膝の上


 膝の上で寝ていたら起きても泣き騒ぐことはなくて、しばらくしたらまた寝るんです。

 2泊3日の旅の最後に寄ったりっぱな構えの中華料理屋さんには運良く座敷があった。繁盛しているようで満員だったけれども、そこが偶々空いていて座れた。ちゃんとした中華料理屋さんのようで、そうしたら思いっきり普段食べたことのないメニューを注文する。シホさんはエビが好きなのでたっぷりエビ料理もいただいた。調度品も何もかもいかにもという立派なもので、お値段もいかほどかと思ったけれど良心的な内容だった。車に同乗させてくれた息子夫婦への慰労も兼ねて、ここは私のポケットマネーで済ました。

 その間、孫のソータローはシホさんの膝の上でぐっすり寝ておりました。

 帰りの車の中で、亡くなった母のことを思い出す。
 あるとき、歳老いて縮んでしまったような母親の姿を見て、私はこんな小さな人から生まれたのだとつくづく感心したことを。こんな小さな女の人におんぶしてもらって、抱っこしてもらって、手を引いてもらったのだと。でも、それは広いひろい世界だったような気がしている。

 現役のシホさん、四人育てたつれあい、私を生み育てた母、命を抱く母親は偉大だ。

 渋滞を避けて夜遅く出発したら、ほとんど高速道路ばっかりだったとはいえ、なんと河口湖から一時間余りで帰り着いた。

 私にも膝の上できっと、ぐっすり寝ていたときがあったのだろうと思う。

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