2011年2月9日水曜日

新刊『麹のレシピ』とイトコの兵庫さん

 夜の10時を過ぎればホームの急行に向かう列もさすがに殺気立つ。7時からずっと飲み続けていた。ただ、うまいものを食べていたのでさほど飲み過ぎた感はない。それで、あっという間に翌朝だ。漢方胃腸薬とウコンを飲んでいたので昨夜のことは何とかなった。Yさんはあと二年だ、二年でなんとかしたいという、私はあいかわらず“役に立たない”などというそぶりで逃げている。

 今朝、東京は、「すわっ吹雪か」と思えるような横殴りの雪になったのに、結局お湿り程度で済んだ。吹雪くより早く出勤していたのでビルの中からその雪を見ていた。

 樋口さんの手作りの味噌は独特の風味を感じられて、今夜も味噌汁にして、いつまでもうまい。人柄がお味噌に出るのだろうか、なんともいえない贅沢を感じる。

 私とは従兄弟筋にあたる“兵庫”さんという人は本家の長男だったのに、家業の焼酎屋は次男の喬さんが継いだ。兵庫さんは父より一つ年上だったが、父は叔父であったので「こらっ、ひょうご」と呼び捨てにした。兵庫さんの兄弟は多く、ガソリンスタンドを経営した人、在所で荒物屋さんをした人などがいて、一番下の七次さんは医者になった。九州帝国大学医学部を出て医局にいたころ、父の胃癌の手術を担当して執刀した。

 その兵庫さんだが、往時わが町の繁華街に店を構えて麹を商いしていたらしい。その話をいつも聞いて、当時私には麹屋さんというものがどのような商売なのか、どうやってそれが成り立ったのか、想像がつかなかった。ただ、焼酎屋から麹屋という関連は理解できた。なくてはならないものだから。私がものごころついたころには、兵庫さんは亡くなっており、そのお店を見ることもなかった。本家の兄弟の中で、兵庫さんが一番父に似ていたらしい。兄や姉の記憶にはある。さて、その麹および麹屋さんという商売だが、未だにわからない。

 うちの姪っ子が今度本をだしたので、よかったら一度読んでほしいと案内を受けていた。気に留めながらも半分忘れかけていたとき、二瓶さんがメールで、書店で見つけて買いましたよという報せに刺激を受け、このたびようやく紀伊国屋書店で見つけ出し買い求めた。2冊あった。めくれば「麹って何」と思う私のココロをそのままに、「まえがき」には記してある。

 私が赤子のときには会ったのであろう従兄弟のヒョウゴさんのことを思いながら、この本に向き合おうと考える。著者の“おのみさ”さんはイラストレーターでもあるらしい。楽しそうな装丁だ。その昔、私の故郷の町には私の親戚縁者が営む麹屋さんという商いがあって、これを用いてそういう食の材料をつくる生活が家庭にあったことを想像しながら。

『麹のレシピ』著者;おのみさ、池田書店、2010年11月25日刊、1260円。

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