2010年12月8日水曜日

「生きていていいのかな」


夜半から冷たい雨になった。
返信が到着した。今年の大晦日はNHKホールで「クミコ~!*#$%&」と声援をおくるつもりでいたかったが、かなわなかった。759,480通の応募があったそうだ。

サダコさんは生きたかった。折り鶴を千羽折ったのに、かなわなかった。

映画「夕凪の街 桜の国」で平野皆美は(自分は)「死んでしまえばいい」と思う。会社の同僚の打越から愛を打ち明けられた。生き残った被爆体験からそういう言葉が出てくる。そうして26年の生涯を閉じる。皆美は言う「原爆は落ちたんじゃない、落とされたんよ」

仲間を殺されたらね、カッとなっちゃう。殺っちゃうよ。家を焼いてね。戦争だもの。

会いたくないと電話で言ったそうだ。だから、神直子さんは取材では会えないと思っていたそうだ。盛岡の駅に着いたら、駅に待っていたそうだ、朝の7時に。ほかの人との取材の約束があって、話は聞けなかったのに。「顔だけ見に来た」そうだ。元皇軍兵士の葛藤。

戦場体験を話し終えたあと、ふと、このまま「僕はまだ生きいていいのかな」と声にもならない声でつぶやく。

虐待を受けて短い命を閉じた幼子はどう言えたのだろう。
いじめを受けて自死した子はどう言いたかったのだろう。

小走さんからお礼の電話がきた。今月で88歳になるという。彼も軍国少年だった。満州で兵士にとられ、シベリアから帰ってきた。その日から食べなければならなかったが、シベリア帰りは誰も雇ってくれなかった。だから身を起こした。今、身体のどこも悪いところはないという。意気軒昂だ、ただ会話の中に「生き残り」ですからとひとこと。

今日は日米開戦の日だ。

歴史を見据え、「平和を生きのびること」(清水真砂子さん/児童文学者・翻訳者)、生きていていい社会をともにつくること、そう考える。

『殺したらいかん』(益永スミコ/影書房/2010年5月刊 630円)を一気に読み終わる。

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