2010年11月22日月曜日

マオ下巻


 どうしても読み進めなくなるところがある。それは、劉少奇氏がマオさんの指しがねでむごたらしく迫害を受けるあの一連の「文化大革命」と称する狡猾な復讐劇を綴ったページだ。劉さんはそれまでの人生でなんどもマオさんには屈したらしい、それでも最後には屈しなかったという。同じく迫害を受けた妻の王光美氏の支えもあった。もちろん作者の描き方によってどうにでも変わる。しかし、どうやら事実のようだ。

 周恩来氏の立ち回り。「銃口から権力が生まれる」という激しい暴力と恐怖と屈従。そして必ず出てくるお追従。洗脳のように入ってきた「走資派」批判キャンペーン。当時、あの個人崇拝への肌で感じた嫌悪、噴飯ものの作り話や落とし穴を嗅ぎとっていたつもりだが、それでもわからなかった。人がたくさん傷つき死んだ、同時代にあったあの事実。

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