2010年8月1日日曜日


 出産休暇をとり新妻のところから帰って来た息子の出産立会いのリアルな話を聞く。この人は四人もいてそんなの無しでその時は寝ていたからと、今更妻殿からなじられる。赤ちゃん特有の匂いがすると息子がいうと、私も長男が赤ちゃんのときのあの匂いを想い出す。息子の話には新しい命の匂いがするようだ。突然、「ぶたじる」か「とんじる」か、と訊く。「ぶたじる」だよ、といえば九州ではそうだという。「とんじる」は関東の言い方だとかねて思っていた。

 そして一週間前のはなし。先ほど兄さんから電話があったけどと、姉から電話。そしてその兄から電話。両方の肺に癌が転移していて、一度手術しているからもうできない。あと半年と言われた。それでこの前会ったときは抗癌治療をしないと言っていたけれど、やっぱりすることにした、と。動揺しているのは無理もないことで「カウントダウンだね」と言うのが精一杯だった。寝付かれなかった。

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