2010年5月1日土曜日

第81回


 「メーデーって何だという若者がいるんだよなぁ」「おとといじゃなかったんですかって言われたよ、鳩山さんも出ていたし、福島さんも」

 お~い、シュプレヒコールに「普天間基地の即時撤廃」を言ってくれよ。とそんなプラカードを持ってきた人がぼやく。

 今年は土曜日で当番の日だったが、代休をとって参加した。うちの息子も休みだから誘ったが「5月1日はメーデーでしたか…」でそれで終わり、買い物に行ったようだ。うちの子にしてしかりだ。8時間労働制の確立をめざして起ち上がった日と言っても、なんだか我が子にすら継承できそうにない。働くものにとって、まるでメーデーに起ち上がったときのようにひどく悪い労働条件になっているのだけれど。

 高校の現役の教師で反貧困ネットワークでも活躍している白鳥先生のミニ講演があった。「できないものはできないままで結構、100人に1人でもできる子をひきあげればいい、競争で国は活発化する」、「あとの99人は実直に働く精神だけを養えばよい」という教育政策のもとで多くの絶望する若者が育った。半分は非正規雇用である、非正規とは半分失業状態だということと同じだ。「人間のもっとも醜い制度をつくった」それが新自由主義だ。孤立しろ、手段は問わない、助け合わない、何でも(医療でも福祉でも介護でも)利益を出せ、つまるところ競争と自己責任、君たちは競争に負けた、自己責任が足りない、不満があれば日本を出て行きなさいと。そうして埼玉では困難校をどんどん廃校にしていった。教育の現場で、そして生徒と親たちに起きた厳しい現状を、新自由主義的教育政策のもたらしたものを厳しく告発し、そして現場で闘っている。

 大型連休になると私の住む団地はずいぶん静かになる。

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