2010年4月2日金曜日

点描

 湾に近くない東京は谷があって坂が多い。谷があるということは山があるのだろうが、東京ではビルが林立していてよくわからない。それでも、神社と鎮守の森らしきところがあれば、そこは山の上か中腹であったであろうことが想像できる。そのナントカ坂、カントカ坂にはたいがい桜が植えてあって名所になっているところがある。こんな排気ガスだらけのところでなどと東京に来たころは思っていたが、慣れてきた。渋谷はその名のとおり谷である。コンクリートに固められてはいるが谷川もある。その名のとおりの桜坂、商店街で雪洞(ぼんぼり)を飾る。桜の季節だ。職場の有志が花見を計画していたが風雨の予報で順延した。千葉や茨城のみなさんはほうほうの体で出勤してきた。

 私は自転車が好きなんだな。

 昨日の朝、後輪の空気が抜けていたのに気付いて慌てて空気を入れて出勤した。帰ってきて駐輪場でみればまた空気が抜けていたので、これはパンクだと気付いた。自転車屋さんの猪俣さんのお店は7時までだ。20分以上はかかる。いま、6時半だ。引っ張っていくのだが、ひょっとしたら定休日ではなかったかとも、記憶がよぎる。辿り着いてみればやっぱりそうだった。汗をかいている。ここまで来てまたひきずって行くのはちと大変だなと判断したから、ご近所の吉田さんところにあずけようと考えた。インターホンを押せば幼いお孫さんが出る。仕方ないから、一応無断で置いてきた。後から電話でお願いすることにした、それぐらい親しい。それで今日も早く帰ってきて、吉田さんところから引き取り、猪俣さんところでやっと修理をお願いできた。後輪のタイヤが磨り減っており、取り替えてもらった。なんか、よかった。修理をずっとみていた、器用なものだ。

 なんでもなく健常である。とりあえず病気はしていない。ともかくもつれあいがいる。ともあれ正規職員である。胸式だろうが腹式だろうが空気を吸えている。蛇口をひねれば水が出る、スイッチを入れれば明かりが灯る。インターネットがつながる。まだ、アナログでテレビが見られる。etc.

 そして普通に自転車に乗れる。私は実は、たっぷりと幸せなんだ。なぁあんだ。

 日曜日は晴れるらしい。じゃ、妻殿が大好きなお花見をしようと思う。以前のように容れものはお重がいいな。花粉も和らいだような感じ。花の下で“来し方、行く末”を考えてみよう。

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