2010年2月27日土曜日

屈託


 「屈託のない」としか使ったことがなかったから、映画の中の大塚欽三弁護士の抱く「屈託」そのものの言葉の意味がよくわからなかった。

 DVD「霧の旗」(1965年 松竹)を観る。上熊本駅を出発するシーンから始まる。上熊本駅はお城に近く路面電車の終点でもあったと思う、懐かしい駅だ。若い倍賞千恵子演じる主人公桐子の大塚弁護士(滝沢修)への復讐劇は、「言いがかり、逆恨み」の類にも感じたが、とてもひきつけられる映画だ。

 当時監督を務めた山田洋次さんは老齢になって今『おとうと』を発表している。常につきない人間への興味このことを前向きに描く。「人間は変わっていかなければ――。新しい価値観を獲得する。成長とはそういうことではないか」と最近述べている。

 永久保存版松本清張傑作映画ベスト10第5巻『霧の旗』が小学館から発売(2010/02/08)されている[映画全編収録:111分 解説本:32ページ]。

 「屈託」とは、大辞泉によれば、「ある一つのことばかりが気にかかって他のことが手につかないこと。くよくよすること。」らしい。
 *画像は小学館のホームページより引用

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