2009年9月29日火曜日

思いめぐらしてみよう

 この列島の人たちは朝鮮半島伝いに大陸からやってきて、島伝いに南からもやって来たと考えられています。大王(おおきみ)と呼ばれる近畿の王権が有力になって、豪族を取り込み、支配体制を整えました。有史上の話ではその版図に入らぬものを征伐、征討しました。東北のエゾ(蝦夷)、九州のクマソ(熊襲)、ハヤト(隼人)が、そうらしい。名目上とはいえ征夷大将軍の体制は江戸幕府が閉じるまで続きました。

 ところが、そういう版図や有史の範疇にも入らぬ歴史があるらしいのです。歴史学その他の学問や報道の発達によって解明されつつあります。学校で受験のために習った歴史よりも、もっと壮大で豊な営みの積み上げとその世界があることが知られつつあります。

 リューキュー(琉球)やアマミ(奄美)の海洋に踊り出た人々の形跡。歴史の何層もの下に埋められたエゾ、クマソ、ハヤトの人々の抵抗、服従、支配の形跡。大きく東アジアを見れば北方のエゾ、アイヌには環オホーツクの交流の形跡があります。そして列島全体には環日本海の交流の歴史があると考えられます。

 固定概念、つくられた歴史、国家の制度に縛られることなく、人々の歴史を観ようとしたら楽しくなります。人と歴史と地理を違う観点から観ることでおもしろくなるかもしれないし、今の私達自身の生き方にも参考になるかなと考えられます。例えば環日本海世界を想像してみれば、また隣人との暮らし方について再認識させられます。

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