2009年8月16日日曜日

徹子のネパール報告


 児童労働とは5歳以上から17歳までで、義務教育を妨げる労働に従事するものをいう。世界に2億1800万人いるといわれる(ILO/2006年報告)。一番多いのは南アジア1億2000万人。

 その南アジアの中のネパール。美しい山々に囲まれた国だと番組の中で黒柳徹子さんは言う。そして「疲弊した国」だということも続けて紹介する。3年前まで内戦が長く続いたこの国、つらい現実があげられる。食べていけない。働く必要がある、生活のために子どもが働かざるを得ない。貧しければ学校に行くことができない。教育を受けさせたい、もっと食べさせてあげたい、この国の希望と現実だ。ネパール国歌は「何百もの花束」という。新しい国になって新しい歌詞に換えられた。多様性を、そして多民族国家を称える趣旨という。

 「黒柳徹子のネパール報告 働く子ども」(テレビ朝日)を途中から観た。メイドとして働きその家の家事をこなして食べさせてもらう小さな少女。15歳の少女は5歳のときから川から砂を運ぶ仕事に従事してきた。砂は1回に50~70kgを運ぶ、日本円にして約10円、1日に20数回往復する。5歳から、だ。仕立て屋さんになりたいらしい。黒柳さんとの通訳を通してのやりとりの美しい笑顔。「誇りとはじらい」なるほど。

 黒柳さんがユニセフ親善大使になって26年目の報告。ユニセフ親善大使にならなかったら普通の芸能人として何も知らないでのんきに暮らしていたかもしれないと率直に語る。「子どもの命が救われること」これが願いだ。

 『わたしは8歳、カカオ畑で働きつづけて』(07年11月刊、合同出版)にチャイルド・レーバー(児童労働)がなぜいけないのかを4点にまとめてある。1)身体に受けるダメージ 2)教育を受けられない 3)人としての自由を奪う 4)社会を支える人材が育たない

  黒柳徹子さんへの人としての尊敬の念を抱くとともに、貧困が子どもと女性に重くのしかかるというつらい現実を考える。弱者をそのままにしてはならない社会への思い。

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