2009年6月8日月曜日

ラットレースの小鼠

お昼のチャイムが鳴ればさっと席を立つ。まるで工場労働者だなと思う。
事務労働者ではあるが、システムになっていて案件がどんどん送られてきてひろっていって、個々の案件を吟味して対応をしていく。時間との闘い、件数との闘い。質を問いたいと心してはいるが、コンベアのごとく案件は次から次へと発生してくる。
大量販売をしなければ大きくなった図体は維持できない。営業本部は号令をかける、商品本部は芋づるで商品をみつけてくる。暮らし向きが苦しい、だから商品は安くなくてはならぬ、貢献せよ。安いものを大量に販売促進しなければ図体を維持できぬ。
ストアブランド(SB)の闘いになってきたという。KY(空気が読めないではなく、カカクヤスク)の世界最大のチェーンストア・ウォルマートと間接的に戦っている。国内最大のチェーンストアI社はお客様のニーズに応えていませんでしたと大げさな反省をし、更に価格を安くする。そのためにはSBだ。製造工場のラインと稼働時間をそっくりそのまま買い取れ。大型トラックを乗りつける。ロジスティックシステムを構築せよ。不採算は撤退だ。工場と生産者を囲い込め、陣取り合戦。売れないメイドインチャイナはとりあえず棚上げだ。台湾がある、タイがある。
常にトップブランドを意識せよ、それに近いものをつくれ、そして利益率を上げよ。市場にて売れているものでなければならぬ、それが支持されている証左だ。市場追随なんのためらいも無い。
歯車の中で「らしさ」をだそうと奮闘努力の甲斐も無く、全体は生き残りをかけて邁進する。
大量販売をすればするほど案件は次から次へと送られてくる。待ってくれ、売れているとは言え、問題が多い、販売促進待ってくれぇ。みんな、目標面接で刹那的な数値目標を掲げている。売り上げアップの派手な成果を挙げなければ組織の中で落ちこぼれる。そんな不安を持っている。売り上げを落とすのが恐いか、事故を起こすのが恐いか、ミニミニカジノ資本主義を日々演じている。そのために食品防御システムは構築される。
それでも地球はまわっている、組織もまわる。ゆったりと時間は流れない。地球と生き物が壊れていくのは先送りの課題、今を生きなければならない。大量生産は使い捨てと食べ残しと廃棄をしなければ成り立たない。

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