2009年5月20日水曜日

物流講演


魚の行商のおばさんたちをめっきり見なくなった。
房総方面から青い電車を乗り継いでやって来て、早朝に池袋や新宿の駅ですれちがっていたあのおばさんたちを見かけなくなった。大きな缶のような籠を三つも四つも担いだ姿を見かけない。
笹山久三さんの小説「四万十川」(河出文庫版全5部、1991年樋口可南子さん主演で映画化)でも描かれる、主人公篤義のお母さんは遠い宇和島に魚を仕入れに行き重い荷をもってきて商いで一家を支える。
私の故郷の町も地方の中心地で北の阿久根、南の串木野の両有力漁港からおばさんたちが行商にやってきた。今はあとかたもなくなったが、宮之城線という国鉄の支線があって更に内陸部に入っていった。
海のない内陸部に魚の加工品がかつては、いやついこの間まではこういうふうに運ばれていたと考える。そして世の中は変わった。

言い足りなかったのではないか。社内では3時間の講義をするらしい、その内容を1時間半で講演せざるをえなかった。また、コストの求め方など社内ではざっくばらんに提起できるところを、社外での話であったのでその辺は意識してはずされたようだ。

「金城さん」というから沖縄のルーツかと最初思ったが、茨城の御出身。「かねしろさん」とお呼びする。JASMEQ理事会研修会で「物流」のお話を拝聴した。内容の深い話だった。これからの在り方などもっと聞きたかった。

歴史上は流通革命によって、それまでの「運送」という概念が「物流」という概念に変わり、その専門業者が誕生した。「○○屋さん」(例えば魚屋さん、八百屋さん)の流通で済んでいたものがチェーンストアの出現によってそうではなくなった。そう古い話ではない。そして不況期に新しい物流業態が生まれる。最初は大恐慌期(1929年)以降のスーパーマーケットチェーンの出現による「物流」概念の誕生、次の例が国内では第一次オイルショック期(1976年)の宅急便の誕生。そして、現在IT革命期、無店舗とインターネットになった。小売業におけるこのシェアは数パーセントの現在から、10年後には10~15パーセントに達するだろうと。それには、物流業に新しい使命が生まれ、付加価値のついたもの生まれてくるのではないかと。

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