2009年4月28日火曜日

呪文から逃れる


昨日は公民館に用事があって遅く出勤した。
家の新緑がこんなにきれいだったかとあらためて見入る。前夜まで激しい風が吹き荒れ、朝は晴れ上がった。出勤途上の畑からみる富士山が一段と大きく見える。

世の中大型連休が始まったというが出勤しなければいけないので実感が無い。製造業に勤める甥っ子たちも長い休みだ。休業と言うほうが正しい。深夜に帰ってくる残業も困りものだが、残業無しや休業で収入がかなり減ったという。いや正職員だからまだいい。

「まだましだ」が呪文緊縛であろう。

広瀬隆さんの『資本主義崩壊の首謀者たち』(集英社新書、09年4月刊)で何に踊らされていたのか、何がこの事態に貶めたのかみな正体を今更ながら知りたい。平積み2列がまたたく間に売れた。この本屋さんは世相に敏感で、陳列や特設コーナーの作り方がうまい。大手書店は田母神さんの本や新書をずらりと並べている。敵をつくって勇ましいことを言う、気分はこちらの方がいい、そういう世情は繰り返す。しかし、元軍人や現役の軍人が跋扈する時代はホントに危ない。

堤未果さんと湯浅誠さんのビッグ対談『正社員が没落する-貧困スパイラルを止めろ-』(角川新書、09年3月刊)、尾木直樹さんと森永卓郎さんの対談『教育格差の真実-どこへ行くニッポン』(小学館新書08年10月刊)
題名の通り、ひとり派遣労働者、契約社員、請負労働者へのひどい仕打ちだけではない、公務員・正規職員労働者へその仕打ちが波及しつつある。

企業の生き残り、再生産、内部留保はあっても、肝心の人間・労働者の方の生き残り、家族をつくること子を育てることの「再生産」や「蓄え」の糧がない。なんのための企業、そして社会なのだということだ。今年の春闘は、賃上げはおろか、定期昇給さえも危うい。散々な結末だ。

大型連休を充分に楽しめる層と大型連休(休業)であるが故に収入の不安を考える層の格差が一層拡大する。そうなると気分は「田母神」様だ。「希望は、戦争」(赤木智弘さん)。危うい。

反貧困、たすけあえる社会、ともに生きていける社会への押し返し。

海外への軍艦の派遣をしている。バラマキ財政の反応に自信をもたげた麻生さんの本性が出ている。憲法を変える中曽根大勲位、阿部元首相のみなさんがまたうごめき始めた。

上から目線への抵抗、草の根活動、民権、平和、ねばり腰、自分たちにできるありとあらゆるやりかたで「次の社会づくり」へ向かおう。

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