2009年3月27日金曜日

本屋さんの観察


 職場の近くの中堅どころの書店では、農業起業関連のコーナーを設けた。03年あたりから現在にかけていくつもの本が出版されている。昨今、週刊経済誌でもこれらを緊急特集している。農業就業へという流れのようだ。若い人が買っていく。
 また、プレカリアートのコーナーも設けてある。「プレカリアート」とはプロレタリアート(独語、「労働者、生産手段をもたない人/カール・マルクス」という意味)とプレカリオ(伊語、「不安定な」という意味)の合わさった造語。社会・経済的に不安定な立場に置かれた人たち。作家の雨宮処凛(あまみや かりん)さんの本が中心だが、多彩な人の本が置いてある。70年代新左翼の本の雰囲気がある。多彩といえば右翼の理論家鈴木邦夫さんの新刊『「蟹工船」を読み解く』まで置いてある(この本は立ち読みだが、つい引き込まれてしまう)
 OECD17カ国中、日本はアメリカに次いで2番目に貧しい国。格差のすごさだ。
 
 ビルのなかの大手書店の店頭には竹中平蔵さんの『竹中式マトリクス勉強法~1の努力で10の成果』(幻冬舎)という本が平積みで4列置いてある。30万部を超えたそうだ。今週の雑誌「プレジデント」誌では「年収1800万の勉強法~時間半分成果10倍の秘訣」とやらでもご登場でいらっしゃる。
 「私が歴史にこだわる理由、このままでは自衛隊は戦えない!」と主張する田母神俊雄前航空自衛隊幕僚長の 著書『自らの身は顧みず』、共著『日本は「侵略国家」ではない』も最初から平積みでベストセラー化してある。講演にひっぱりだことかで、すでに退職金よりも稼いだと伝え聞く。

 カックンカックン、ドタンバタンとひっかかりながら、ぶつかりながらスムーズには生きていけない私には、こういう人たちの生き方がわからない。

 明日は、集え!『反貧困フェスタ2009』だ! 集え、こころあるひとたち。押し返そうよ、不条理。

 以下、ホームページより引用。

 日時:2009年3月28日(土) 10:00~16:30
 場所:千代田区立神田一橋中学校(東京都千代田区一ツ橋2-6-14)日本教育会館東隣り
 地下鉄半蔵門線・都営新宿線「神保町」(A1出口)4分、東西線「竹橋」(1b出口)5分
 入場無料、雨天決行(ただし校庭企画は中止となります)
・一部手話通訳・要約筆記、保育室あり。受付でご相談ください。
・車いす用トイレ(1階)、エレベーターあり。
・会場は使用中の学校です。主催者の指示にご協力いただきますようお願いします。
・上ばき(スリッパ等)をご持参ください。

『今年の「反貧困フェスタ」のテーマは“労働”です。増大する非正規労働者、横行する「派遣切り」、長時間労働を課される正社員たち。「働くこと」が壊されていく…労働の崩壊は目を覆うものがあります。加えて今回の大不況では、40万とも100万とも言われる非正規労働者が職を失うと言われており、その波は正社員や新卒者にも及んでいます。
忙しくて仕事が終わらない正規と、働いても生活できない非正規―「過労死か貧困か」という惨状の中で、「あいつは楽しんでいる」「あいつは守られすぎている」という“労労対立”が作られてもいます。「自分だけは生き残りたい」…しかし、このままで本当にそんなことが可能になるでしょうか。
働く者が生き生きと働き、生活できる社会とはどのようなものなのか。私たちが直面している現実と課題はどんなもので、それをどのように乗り越えることができるのか。さまざまな働き方をするみなさんと一緒に考えてみたいと思います。』

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