2009年2月4日水曜日

何故「今治」か


 私のパソコンはキャパがない。私と同じだ、とほほ。3日間もインターネットが開かなくなって途方にくれた。

 故郷に帰ればレンタカーを借りる。地名を聞けばどの辺にいるかがわかる。が、だ、「平成の広域合併」でよくわからなくなった。わが故郷は近辺の町村を合併した、その結果、県都の隣の市になった。それでは運転していて距離感が狂う、「もう、我が市?そんな馬鹿な」だ。

 愛媛県の今治と言えば「タオル」を連想した。中国産に押されて苦戦していたように聞いているが、紆余曲折の上、基本のキ、「白いタオル」(高い品質)で勝負をし、復活を遂げていると聞いたことがある。というのが、知っている私の今治だった。それと昔、佐世保重工業の再建に来た坪内さんという御仁。

 その今治も05年に広域合併を遂げた、「新設合併」と言い、既存はなくなり新しいものをつくるという対等合併だったそうだ。県都松山市に次ぐ第2の都市で且つ隣接することになった。

 来る2月28日この今治市で第4回「農を変えたい!全国集会in今治」が開かれる。「農を変えたい!全国運動」代表は中島紀一さんだ。

 では、何故今治か?再び、今治市役所の安井孝さんの話を聴く機会があった。今治は工業商業の町、タオルは全国50%のシェア、造船技術集積の町だそうだが、「農水産業頑張るゾ」ということを機軸に町づくりを進めてきたという。

 今度の総選挙はどうだか知らないが、愛媛県は名だたる保守王国、いうなれば自民党ばっかしなのだそうだ。その県のこの市に『今治市食と農のまちづくり条例』(06年9月)というものがある。そのまえに「食料の安全性と安定供給体制を確立する都市宣言」(05年12月)が議員立法により採択されていた。もっとその前に旧今治市で「食糧の安全性と安定供給態勢を確立する都市宣言」(88年3月)という背景があった。四半世紀以上前の学校給食の自校化を求める市民運動や有機農業を進めたい農民運動に端を発する。要は積み上げがあって、今日の多岐にわたる成果があって、大変に興味深い。こういうふうに元気がでるんだという先例になっている。「担い手」とはこう言いそれを、行政が後押しする。

 多忙そうな市職員の安井孝さんの話とパワーポイントは雄弁で、加えて別の職員の方に「さいさいきて屋」という“地産地消型地域農業振興拠点施設”に案内していただいた。ここは要するに「農産物直売所」つぶれたAコープの店を活用した540坪。年間15億円の売上げという。出品する人は850人に達し、今それ以上はもはやお断りしているとか。ここは食堂を経営していて、正真正銘の「みどり提灯」、「さいさいきて屋」の食材しか使わないというルール、だから毎日単品メニューが違う。洋菓子販売ではどう見ても「いちごケーキ」に見えるが、いちごを売っているのであってたまたまスポンジを使ったクリームを使っただけであってケーキではないというこだわり。ケーキ屋さんとは勝負しないというコンセプト。話は尽きない。まだまだ見たり聞いたりしたかったが、先を急いだ。

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