2008年7月25日金曜日

ブンガワンソロ


映画「いのちのたべかた」で工業としての農業、一部は工業としての鮭養殖も垣間見ました。大きな動力を使って流れ作業のようにつくられる大量の食べ物です。
食糧の「豊かさ」をそれによって受けています。

人間は自然というものに働きかけ営々と食べものをつくってきました。受け継いできました。インドネシアにおける「農業としてつくるエビ養殖」もその例です。マングローブの伝統的な開発(利用)の方法により、育み育てる生命のエビです。“生きるため”の営みです(うちは「粗放養殖」しか扱わないという仕入れ担当がいましたが、本質をみていません。商業的なまやかしがいくらでもあるからです)。

マングローブを破壊してのエビ養殖、現実にはこれによって「食の豊かさ」を享受しています。この営みは国や土地の有力者が“より儲ける”ために始めた営みでした。「開発」という名の資金はさまざまな名目で国際的にも調達されました。日本は日本市場にあわせた大量の買い付けということでこれを促進しました。

たまたま人生のなかで、台湾、タイ、中国のえび養殖産地の潰滅、地域の取り返しのつかない荒廃を、それぞれ時間を置いて見聞することがありました。買い付けをするひとたちの外国での所業も傍らで見聞しました。

どこかの隠れ島から、どこかのスイートルームから、儲けのためにこの地球の食糧を操作し始めているひとにぎりの輩(やから)がいます。いま瞬間これを制御すべき方策を少なくとも日本政府もアメリカ政府ももっていません、いやヤル気がありません。

エビをつくりながらいつまでも貧困、えびを食べながらいつのまにか貧困、この仕組みと連鎖を断ち切らねばなりません、すくなくともそのことに目を向けなければなりません。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

暑気あたりから回復されたようでよかった。更新がなかったので、ちょっ心配していました。
私は沖縄に板のでマングローブ域の重要性をそれなりにわかっているつもりです。マングローブは、一種の塩水と希水域を媒介するフィルターなのです。だからマングローブがないと、いきなり塩水が自然護岸の淡水を好む植物群に押し寄せてしまいます。いったんこのマングローブ域を破壊すると再生はかなり困難です。一本一本手植えして戻すしかないのです。
壊すは一瞬、戻すはその百倍の労力がかかります。